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片頭痛国内初治療

人体の神秘

今回は文字通り「人体の神秘」を再確認いただける、そんな治療方法が国内で初めて実践されtお話です。
キーワードは「片頭痛」と「心臓」です。
これだけでは誰もが「何の事だ?頭痛と心臓なんて全く別の話だろ?」と受け取られて当然でしょうし、私自身の率直な第一印象も皆さんと同じでした。
ですが以下にご紹介するのは、片頭痛患者の心臓内に小さな穴をカテーテルで塞ぎ、それで片頭痛の症状を改善させる手術の実践のニュースなのです。

これまで片頭痛の治療は薬物治療が中心であり、当然心臓手術を絡ませるのは国内初の試みです。
なぜこうした治療法の実施が決定されたのかを、以下に出来るだけ簡潔に説明させていただきます。

心臓の小さな穴と片頭痛の関連性

岡山大病院の研究の結果、片頭痛患者の約半数の方々の心臓には、胎児の時には存在していた心臓に存在する、直径1~2ミリ程度の卵円孔と呼ばれる穴が、塞がらずそのままになっている事実の発見に至ったのです。
この卵円孔と片頭痛の関連性を更に突き詰め、太股の静脈経由でカテーテルを挿入し、この卵円孔をカテーテル先端の閉鎖栓を用いて閉じる施術を施す手術法の実践が発案されました。
手術時間も1時間程度で済むため、患者への身体的負担やリスクも抑えられ、大きな成果が期待されている新たな手術法です。

ちなみに片頭痛は現在、国内の成人の約8%余りの方々が発症されており、症状が酷い場合は日常生活そのものに深刻な悪影響を及ぼしています。
片頭痛のメカニズムに関しては、まだ解明されていない部分も多く、今回の新たな施術が確かな効果を示してくれる事への期待感が高まっています。
岡山の医療機関が柔軟な発想から斬新な医療方法を開発した事実は、医療に携わる私としても嬉しく誇らしい限りです。

但し現時点では全ての施術対象者に対し、確かな効果が保証出来ない事もあり、保険適用外の手術として実施され、入院費を含め、約130万円が全額自己負担となるところからのスタートです。
今後の確かな成果を通じ、患者の費用面の負担軽減が1日も早く叶う事を願っています。